第7回次世代三々塾「生化学特別セミナー」を開催
11月7日、金沢大学博士研究人材支援・研究力強化戦略プロジェクト(HaKaSe+)は、第7回次世代三々塾として、海外研究者を初めて講師に迎え「生化学特別セミナー」を開催しました。当日は、学士、修士、博士の全ての課程からの学生と教職員を合わせ約50名が参加しました。
HaKaSe+は、博士人材として未来のイノベーションの芽となる博士学生への支援に力を入れるとともに、学生の博士進学を後押ししています。
今回の講師であるマーストリヒト大学(オランダ)のCasper Schalkwijk教授は、生化学・代謝研究分野の世界的研究者の一人です。現在、International Maillard Reaction Society (JMARS)の会長職も務め、肥満、糖尿病、血管合併症を主な研究テーマとしています。「The role of dicarbonyls in age-related diseases」と題した今回の講演では、細胞内代謝過程で生成されるメチルグリオキサールやAGEs(※)の生体への影響とその防止策について、マウスモデルを使った研究からヒト臨床研究に至るまで、これまでの成果や最新の研究の取り組みとともに生化学研究の醍醐味を語りました。
※生命活動に必須のエネルギー源である糖が生体分子と反応して形成される終末糖化産物
Casper教授の講演は、基礎から臨床までの幅広いトピックで最先端の知見に富んでおり、講演後の質疑応答では参加者から多くの質問があり、関心の高さを感じられる活気あるセミナーとなりました。
参加学生からは、「生体反応の謎に迫ることはサイエンティストとしての醍醐味だと感じた」「今後の医療の発展に大きく貢献する発見をされていることに魅力を感じ、自分も生体・生命活動のメカニズム解明に成果を残せる研究者になりたい」「異分野の研究者の講演であったが、研究姿勢や他分野の研究者を惹きつけるプレゼンテーションが大変参考になった」という感想が寄せられました。
今後もHaKaSe+では、博士学生の研究力向上、キャリア形成に資するさまざまな企画を開催することを通じ、博士人材の魅力を高め、将来の活躍を力強く後押ししていきます。